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黒姫山2053m
長野県の北信地方に北信五岳と呼ばれる山がある。斑尾山、妙高山、黒姫山、戸隠山、飯綱山、略して「まみくとい」。黒姫山は北信五岳の中心に位置し、山頂付近の大池では山椒魚が観察できる。登山道の脇には湿地帯と池が存在し、自然探査、山菜を目的とした人達も大勢いる。この付近の山々ではネマガリダケが多く見られ、食用として採取する人もいるが、戸隠村ではネマガリダケを県指定伝統的工芸品竹篭材料として、タケノコ取りの採取を禁止しているので注意したい。

戸隠村と信濃町の境を流れる鳥居川の堰堤横に車を駐車する。駐車場から大橋林道を歩くコースが一般的だが、300mほど信濃町側にある種池登山口から黒姫山を目指す。

登山口から10分ほど歩いた場所に種池がある。蛙の鳴き声が聞こえる種池は、流出口と湧水が無い池で、雨乞い用の水として古くから利用されていた。途中、ザックにタケノコをいっぱい詰め込んだ人達とすれ違いながら古池に到着。古池の湿地帯では山菜取りをしている人達を見かける。何を採取しているのか分からないが、池を右周りに歩くと再び登山道が見えてくる。

大ダルミの分岐で大橋林道を歩いてきた人達と合流して黒姫山を目指す。大ダルミ、大池方面に間違ぬように新道を進み、背丈以上のネマガリダケの間を歩きながら「しらたま平」に到着した。ここは歩いてきた道のりを確認できる場所で、古池、種池、飯綱山、戸隠山が見え、黒姫山と小黒姫山の間には、山椒魚が住む大池が見える。

それほど広くない山頂に15人ほどの登山者がいる。ネマガリタケを鰹節と醤油で味付けしながらラーメンの準備を始めた人と世間話が始った。山頂付近で採取したネマガリダケを器用にナイフを使いながらネマガリダケを剥いている。とってもおいしそうだ。

周辺の雲行も怪しくなり早目に大池経由で下山する。稜線から大池の分岐を下り、雪に残された足跡を辿って歩き始める。しかし、周りにいた団体と道に迷ってしまい、登山道を探しながら大池の目の前に到着した。

山椒魚の卵を捜しながら池を半周すると、白い怪しげな物が見えてくる。静かに白い物を観察すると、山椒魚の姿も確認でき、息継ぎの為に10cm前後の山椒魚が水面下までやってきてUターンする。山椒魚とは不思議な生き物だ。きっと1mを越すような池の主が何処かに居るかもしれない。目的の山椒魚も見れたので大ダルミを目指して下山する。所々にある目印と足跡を捜しながら雪の上をウロウロし、再び道に迷う。整備がされていない登山道は何処を歩いて良いのか分からず、後を追いかけてくる団体も同じような事をしていた。大池から天狗岩まで道なき道を歩き、天狗岩を超えれば普通の登山道となる。笹ヶ峰への分岐を通り過ぎ、大ダルミの湿地帯まで20分。大ダルミは見落としやすい場所にあるので、注意深く捜してみよう。ここを通り過ぎれば大ダルミの分岐に戻れる。そして大橋林道を下っていけば大橋の駐車場に到着する。

約8時間  種池〜大ダルミ分岐(大橋新道)〜山頂〜大池(西登山道)〜大ダルミ〜大橋

2001年6月2日

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
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