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上高地
厳冬期の上高地は雪が1m以上も積もり、道路に設置してある標識と目線が同じ高さになった。バスが通っていた道路も雪崩によって狭くなり、ガードレールに守られていた道路の端も近寄れないほど雪があった。

冬の上高地へのアクセスは非常に不便である。沢渡のタクシー営業所に車を置いて移動することにした。釜トンネル内部は暗く、道路も長い距離が凍結している。大きく成長した氷柱に気をつけながらゆっくりトンネルを通過する。新しい釜上トンネルは今年度中に開通する予定で、トンネルの隙間から見える砂防ダムも見納めかもしれい。この堰堤は昭和11年に着工され、約8年の歳月をかけて作られた。曲線を描いた砂防ダムは、当時の最新技術を用いて建設された。

トンネルを抜けると工事現場付近まで快適に歩ける。その先の道路は雪が降り積もったままなので、雪崩や路肩に注意をしながら進みます。

大正池付近の積雪は約100cm〜150cm。道路に設置してある標識と目線の位置が同じになり、散策の為の道標は雪の中に消えていた。ほとんどの登山者がスノーシューを利用しているので、自然研究路も快適に歩ける。

大正池から自然研究路を通り、渡れそうな場所を選んで田代池を横断する。雪があるので川に落ちないように渡る。

田代池を横断して無人のバスターミナルに到着する。狭く感じた駐車場は誰もいないと寂しいものだ。

梓川沿いに歩きながら目的地の河童橋に到着。お菓子を食べながらテーブルに座っていると、岸辺にいたカモが寄ってきた。人馴れしたカモは食べ物を狙って近づいてくる。小鳥も人間の食べ残したお菓子のカスを狙って近くに寄ってくる。厳しい冬を乗り切るために危険を犯してでも人間に近づいてくる ようだ。

梓川の右岸を通って明神池を目指す。この付近の雪の上には、たくさんのニホンザルの足跡が残されていた。誰もいない嘉門次小屋で昼食を作る。テーブルで昼寝しながらいつもと変わりないラーメンを作り始めた  

明神池に大きなブラウントラウトが泳いでいる。どうやら餌が欲しいみたいだ。ブラウントラウトは日本の岩魚と違って流れの淀んだ場所を好み、明神池で大きく育ったようだ。

昭和40年代に盛んに放流していた、カワマス、ブラウントラウトなど、外国から輸入した魚は、現在では一切放流していない。


快適な歩行を約束していたスノーシューもバスターミナルに近づくにつれて必要なくなってきた。犬を連れたクロカンの団体をやり過ごし、しばし休憩。放し飼いにしてある犬は怖いけど、それ以前に犬を飼っている人のマナーが悪い。

中の湯(6:00)〜大正池(7:10)〜バスターミナル(8:36)〜河童橋(8:49-10:00)〜明神池(11:20-12:20)〜明神(12:30)〜中の湯(16:13)

2002年3月19日


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。