岩菅山の斜面は、適度な斜度で雪質が良ければ最高かもしれない。そう思いながら滑り出したが、雪が重くてバランスを保持するのが精一杯。板に任せてターンを続けたが、中間地点でどんどんスピードが落ちてしまい、自分が歩いてきたトレースを利用して板を滑らす。
最初は沢の中を滑るつもりだったが、雪が重くて滑走が困難になるので、なるべく日陰の雪質が良さそうな場所を選びながらトラバースを続ける。アイスバーン、滑らない雪、サラサラパウダー、激重パウダーなどが交互に現れ、コケないように踏ん張るのが精一杯。今日は修行の日である。
フラフラしながら尾根の乗り越えポイントにやってきた。ここから岩菅山の斜面が良く見える。シールを剥がしながら斜面を眺めていると、さっき出会った3人組みが順番に滑り出した。途中で何度も転倒して悪戦苦闘しているようだ。しばらくすると滑走を諦め板を担いで下ってきた。
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