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八ヶ岳 阿弥陀岳2805m 南稜
阿弥陀岳の南稜は八ヶ岳の古典的なバリエーションルートとして年間を通して人気が高い。南稜の核心部である、P3、P4の岩登りは、比較的優しい部類に入ると思うが、厳冬期や残雪期に南稜を予定しているので、今回は下見と紅葉を兼ねて登る事にした。

「船山十字路ってどこ?」と道路地図を見るが、それらしい場所が載っていない。近くに標識も無いので、ナビゲーターを頼りにゲートまでやってきた。ゲート前にはキノコ採りを目的とした人達の車がたくさんあるが、この付近で車上荒らしが多発していると忠告を受けいている。

登山地図には南稜の取り付き地点に標識があると書かれていたが、林道に阿弥陀岳と書かれた標識しか見当たらない。林道を約30分ほど歩くと、左側に阿弥陀岳と書かれた標識がある。直進すると中央稜に行ってしまうので、右に曲がって南稜の取り付き地点を確かめる。対岸に渡り、堰堤らしき場所を通過すると阿弥陀岳と書かれた標識が現れた。

黙々と斜面を登り尾根に出てからしばらくすると、旭小屋を示す赤い標識が現れる。展望が無い尾根を黙々と歩き続けると登山道も緩やかになり、立場山に到着する。

立場山には簡単な標識があるだけで展望も悪い。ほとんど平坦な登山道を進むと、突然、目の前に阿弥陀岳や権現岳が見え始める。

撮影ポイントと聞いていた青ナギは、逆光でなければ最高に気持ちい場所である。焚き火の跡やゴミが多いけど、とても絵になる場所だ。



青ナギを通過して急登を過ぎると無名峰と呼ばれる場所に到着する。P3の岩壁やP4付近の岩場など、阿弥陀岳と紅葉が絶妙にマッチしており、カメラを取り出してはシャッターを押しまくる。岩登りを楽しみにやってきたが、素晴らしい景色に見とれて超スローペースになってしまった。

踏跡を確認しながら最初の岩場が現れた。問題なく通過できるが、撮影に夢中になり、なかなか前に進まない。

P3を通過するには、直登と左側からルンゼを通過する方法があるらしい。直登も可能と判断がするが、八ヶ岳の岩は脆くて剥がれやすい。しっかりルートを確認してからP3の基部に移動する。

P3の左側にルンゼへと続く踏跡がある。試しに先ほど確認したルートを数m登ってみるが、岩の状態が悪くて諦めた。


ここが核心部となるルンゼだが、中途半端に傾斜が緩くて腰が痛い。
岩が湿っているのでスリップしないよう確実に確認してから、とっとと通過する。


  P4の手前でカモシカの姿を確認する。ハイマツに隠れながらカモシカに近寄り、迷惑そうにしているカモシカをデジカメに収めた。カモシカまで5m。もっと近寄ってみたい気もするが、カモシカが慌てて崖から落ちないよう一定の距離を保つ事にした。P4の岩場は、それほど難しい場所が見当たらない。積雪期に通過が困難となる場所があるので、ハーケンの位置やルートの確認をした後にP4の岩場を通過する。

 

  山頂には、たくさんの登山者がおり、ほとんどの人達が行者小屋からやってきたようだ。ザックをデポして登って来てる為、山頂にやってきても記念写真だけ撮って帰ってしまう。天候が良くて穏やかなのに急いで帰ってしまうのは勿体無いない。こちらは朝から何も食べてないので、ゆっくり景色を見ながら昼食を食べる事にした。  

  帰りは御小屋尾根から御小屋山を経由して船山十字路へ戻る事にする。御小屋尾根の上部は、南稜と比較にならないほど登山道が崩壊してて、落石を起こさぬように慎重に下る。登ってくる登山者に声を掛けて、落石を受けない場所で待機してもらい、やっとの思いで下ってきた。今日の核心部は御小屋尾根だったかもしれない。ここの下りは、登りも下りも慎重に行動したほうが良さそうだ。  

船山十字路(5:43)〜南稜取付地点(6:20)〜立場山(9:49)〜青ナギ(8:13)〜無名峰(9:08)〜P3(9:32)〜P4(10:21)〜阿弥陀岳山頂(10:37)〜御小屋山(12:37)〜船山十字路(13:25)

2002年10月5日



「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。